台湾ではずせない観光スポットと言えば、「国立故宮博物院」。フランスのルーブル、アメリカのメトロポリタン、ロシアのエルミタージュと並んで世界四大博物館の1つにも数えられています。収蔵品はおよそ70万点近くあると言われており、その中から6000~8000点を展示しています。一部を除いて3~6カ月おきに展示品を入れ替えていますが、すべてを見て回るには、10年以上はかかると言われています。
収蔵品は、8000年前の玉器や4400年前の陶器、2200年前の秦の始皇帝の時代があると思えば、中国のみならず日本の古墳時代、さらに隋から清に至る歴代宮廷の収蔵文物を継承し、その数も種類も極めて豊富です。中国芸術文化の集大成が国立故宮博物院と言えます。
故宮博物院は元々は明清朝の王宮「紫禁城」でした。1924年に溥儀を紫禁城から退去させ、翌年宮殿内で清朝が持っていた美術品などを一般公開したのが始まりです。第二次世界大戦や国共内戦を経て現在の故宮博物院があるのですが、このあたりの歴史を下調べするとより深く故宮を理解でき、楽しみも倍増するのではないかと思われます。
膨大な所蔵数を誇る故宮博物院ですが、中でもとりわけ有名なのが2色に分離した翡翠を清廉潔白を表す白菜に模した「翠玉白菜」と、3層になっている石に加工を施した「肉形石」です。これに「雕橄欖核舟」、「彫象牙透花雲龍紋套球」、「毛公鼎」を含めた5つが故宮博物院の誇る5大宝物と呼ばれています。
収蔵されている芸術品はもちろんのこと博物院の建物そのものにも歴史がある故宮博物院。いつ訪れても非常に混雑していますが、一見する価値はあります。台湾ならびに近代中国社会の歴史をぜひ感じてください。