中華圏である台湾では、春節(旧暦元日)から数えて15日目にあたる「元宵節(げんしょうせつ)」に提灯を灯すという風習があります。これには吉祥や邪気払いの意味があり、その文化は台湾の人々に受け継がれてきました。
無数のランタンが夜空に浮かび上がるランタン飛ばしは、「天燈」と呼ばれる紙製のランタンに無病息災などの祈りを書き込み、火種を用いて熱気球と同じ原理で空に飛ばす儀式。一つ一つのランタンにそれぞれの想いや願いを込め、空高くへと放つのです。
もとは戦の際に通信手段として使用されていたランタンが、後に節句の祈祷儀式として使用されるようになったと言われています。
大規模なランタン祭りとして毎年多くの人が参加しているのが、「平渓天燈節(へいけいてんとうせつ))と「台湾ランタンフェスティバル」。どちらも旧正月15日の元宵節シーズン(2月頃)に行われ、無料で参加することができます。
「平渓天燈節」は、台湾の北側に位置する新北市東北部の平渓で行われる天燈上げ(ランタン飛ばし)イベント。無数のランタンが夜空を彩る幻想的な光景が最大の魅力です。