「龍山寺」は清時代に建てられた創建約270年の台北で最も歴史のあるお寺です。もはや芸術作品ともいえるその華麗な佇まいと、現地の人々の生活に根づいた信仰心を肌で感じられるのが魅力です。地下鉄MRTで台北駅から2駅とアクセスも非常に良いため、故宮博物館や中正紀念堂などと並ぶ台北の一大観光名所となっています。
龍山寺は、MRT「龍山寺」を出てすぐのところにあります。 この辺りは萬華地区と呼ばれる台北市でもかなり古い街。仏具街や薬草街、骨董街、伝統市場などが連なります。駅や寺の周辺は下町の風情が溢れ、“台湾らしい台湾”を見られる絶好の場所といえるかもしれません。
龍山寺は清時代に中国大陸の福建省から人々が移住してきた当時、生活環境が悪く疫病が流行したため、神のご加護と平安を祈る為に建てられたのが始まりです。基本的には仏教寺院となり、観音菩薩を本尊として祀っています。ただし、いたるところに道教や儒教の影響も見受けられます。地震や台風、火災、戦争などにもより何度も破損、そしてその度に改修・修復が繰り返されて来ました。
龍山寺は芸術的価値も高く、例えば本殿前方の左右に配された一対の「銅雕龍柱」。1920年代の作品で、石製の柱が一般的な台湾で唯一の銅製の龍柱です。立体感溢れる龍と繊細な動物たちが見事に表現されています。
龍山寺の本尊は仏教の観音菩薩で、本殿に祀られているのもすべて仏教の神様ですが、後殿には主に道教の神様が祀られています。こうして異なる宗教の神様を一緒に祀っているお寺は台湾では珍しくありません。寛大でおおらかなお国柄を表しているようですね。良縁や健康祈願、安産など、お願い別にお目当ての神様をお参りすれば、大きな効果が期待できるかもしれません。